L-2 B Mod, 66 NYLON TWILL/Workers/Workers
※撮影時の男性モデルの体型…
身長168cm、体重65kg、肩幅44cm、胸囲94cm、肩から手首までの腕の長さ55.5cm
写真ではMサイズを着用しています。
Workersが伝えたいこと
秋・冬、まだ肌寒い春先にかけて。
冬のいわゆる「ジャンバー」として使い勝手が良い。
でも、リブ・裏地にウールが入っていると虫にくわれやすい、縮みやすい。
そして、春や秋はウールの保温性がかえって使える時期を短くする。
という事で、ウールをコットンに置き換え。
糸色を選び、試し編みをして「コットンでもしゃっきりして、伸びても戻る」いわゆる「キックバック」のある編みで。糸もコーマ(短繊維を落として、毛玉が出来づらい)かつ、双糸。
表地の66ナイロンツイル、裏地のコットンレーヨンツイルともに「これ!」という色調の生地が見つからなかったので別注で染めてもらい。
結果、とっても高価なL-2Bになってしまいましたが、物は良い!と思います。
パターンは着丈を少し伸ばしたのと、
袖リブが袖口で見えなくなってしまわないよう、袖丈はギリギリを狙っています。
要するに、高級な糸使ってなるべく長く、綺麗な状態を保つように。
袖口に、輪編み、縦に継ぎが無い物を使っているのもポイント。
L-2B を人生で次作るかわからないのでこだわりました。
ファスナー、オリジナルはCrown ですが、さすがにこれは入手出来ず。
WALDESで、引手の形状はコンマー風の物を。
パターン、着丈だけは少し伸ばしました。
袖の長さも長すぎず。
長い方が、カバー率は上がるのですが袖口リブが完全に見えなくなってしまうバランスは好きではないので。
By.WORKERS
細部について
ぱっと見、ただのL-2B。でも違うのが首のリブ。コットン100、北陸のリブ屋さんで編んでもらっています。
リブ、既製品もあるのですが(KODAKAリブ、アパレルの方にはおなじみですね)、今回の場合、袖口がどうやっても別注で編むことになります。あの袖口に使っている、縦にハギ目・切れ目のないリブは作らないとまずないのです。「まずない」というのが、昔はあったのです。
基本的に袖口リブが編まないと無い。そして、その色に合わせないといけないので、襟・袖口も別注で編んでいるわけです。それも、袖口は輪編み・襟/裾は平らな横編み。同じようなリブでも、作る機械が違うので、あっちで作ったり、こっちで作ったり。
フロントファスナーは朝日ファスナーでコンマー「風」。あくまで「風」ですが、このファスナーは品質も良くアウターのフロントに使ってもストレスを感じないので選びました。
使う人はもう居ないでしょうが、シガレットポケット&ペン差し。ここもフロントと同じくファスナー開き。こういうのがあるから、工賃が上がる、部品代が上がる、結果値段が高くなるのですが、L-2Bでシガレットポケット無くしちゃうと何が何やらわからなくなるので、ここは残します。
これが何回も言っている「輪編みのリブ」。靴下を編むような、小さい径の丸編み機で編みます。
袖丈を長くなりすぎないようにしています。袖が長いと、リブが袖で隠れてしまっている事ありますよね?あれがどうにも苦手なので、今回は袖を長くなりすぎないように設定しています。
裾の三角タブ。これも取っちゃおうかなと思いましたが、全部取るとL-2Bというよりナイロンのただのジャンバーだよねと知人から指摘を受けたので残しました。
2020年に気にする人も少なそうですが、エンドボックスもそれ「風」にしています。
裏地、オリジナルはウールレーヨンのところをコットンレーヨンに変更。これも、基布(ベースになる白い布)はあったのですが色が無い。そこで、Tops Apparelの個体を参考に染めてもらいました。レーヨンが織り込まれているので滑りが良い。そして、ウールが無いのでチクっと感が皆無!だからTシャツの上にも着られます。
後ろ中心には襟吊。初期型L-2Bがモデルだから黒タグつけようかなとも思ったのですが、かえってない方がシンプルかと思いなおしネームはポケット内プリントタグで後期型風に。
超見せ場!と縫ってくれる藤枝先生にお願いしたポケット。最初見た時は、私も「なんだい、ただの玉縁ポケットじゃん」と思いましたが、実物をばらしてみるととっても独特な作り。いわゆる現代式の、玉縁ミシンを使って縫うのとは違う、俗に「手玉」とも我々が呼ぶ手間がかかる方法。
その現代式ミシンを使って、これ「風」にも作れたのですが、人生で二度とL-2Bを作るかわからないので「高くなってもこれで行って!!!」とお願いしました。工賃見て、目の玉落ちそうでしたが、仕方がないです。「だったら、お前が縫え」と言われば、私にはできないですから。
そうまでして機能性はどうなのか?といえば、特に機械玉縁と変わりありません。が、フラップに合わせてきれいに口が開いているのはやっぱり、手玉だからです。
肩のダーツ&見えづらいですがエポレット。
この肩ダーツのおかげで独特の丸みがあるのがいわゆる「フライトジャケット」と称されるL-2BやMA-1のポイント。
機能的には、肩甲骨周りの丸みを出し人間の体の自然な丸みにフィットさせるためでしょう。ただ、サイズ感がそこまでタイトな服でも無いので、あってもなくてもという世界ではありませんが、でも無いとフライト「らしさ」が無くなってしまう。絶妙な匙加減だと思います。
By.WORKERS
商品の仕様・寸法
●素材
表地:66ナイロンツイル・ナイロン100%
裏地:コットン58%/レーヨン42%/ツイル
リブ:コーマコットン100%/30番双糸
●付属 革引手付きファスナー
●縫製 スパン糸
●価格 45000円(本体価格)
●寸法
Sサイズ:
身幅… 54.0 cm
肩幅… 45.0 cm
着丈… 64.0 cm
袖丈… 63.0 cm
袖口幅… 9.0 cm
Mサイズ:
身幅… 57.0 cm
肩幅… 47.0 cm
着丈… 65.0 cm
袖丈… 63.0 cm
袖口幅… 9.0 cm
Lサイズ:
身幅… 61.0 cm
肩幅… 49.0 cm
着丈… 66.0 cm
袖丈… 63.0 cm
袖口幅… 9.0 cm
縫製および洗い、また採寸方法による誤差はご容赦ください。
Workers K&T/ワーカーズは、古いアメリカ・ヨーロッパのウェアを基本に再現しつつ現代に合わせたものづくりをしている岡山県のブランド。オリジナルそのものを解体し、資料を辿り、時代背景にまで深く深く踏み込んだうえ、あくまで実用性に則した変更を加えていける柔軟性に私たち雑貨屋マメチコは強く惹かれます。古着好きの「こうであって欲しい」を残しつつ、あくまで「今」着るために必要な要素を加えてリリースされる製品はクオリティと値段のバランスも良く、自信を持っておすすめできる製品です。