◆雑貨屋マメチコが実際に着てみた感想◆
ワーカーズが初期から作り続ける、フロントがラウンドしたボタンダウンシャツが「Lot.20」。
リリースは久しぶりですね。
太くも細くもない丁度よいサイズバランス。
今回はモディファイドフィットとしてさらに考えられたシルエットとなっています。
(細くなったのではなく、整えられたといった感じです。)
首から肩にかけてのラインは、丸っこくて愛らしい。
袖はスマートに。でも不自然な細さではありません。
カジュアルとドレスの境目をワークウェアの感性で合わせたようなシャツです。
今回はパッケージも新しくなっていますので、そんなところもファンには嬉しいところですね。
どなたでも自然な印象の白シャツです。
春からの生活にお役立てください。
By.Mamechico
◆WORKERSが伝えたいこと◆
久しぶりに登場のLot.20。WORKERSが初期から作り続ける、
フロントがラウンドしたクラシックなBDシャツ。
シルエットはここの所、定番で作っているModified Fit。
ビンテージのようにゆったりとはしすぎず、
かといってタイトショートでもない中庸なシルエット。
フロントのラウンドした部分。
もともと、シャツが下着であった時代の名残とも言われています。
左右にかぶさり、それが男性の股部分をカバーしたという説も。
1900年代初頭と思しきシャツを見るととにかく着丈が長い。
下着機能としては良いのでしょうが、裾を出して着ることもある現代の感覚では長すぎる。
かといって、丈を短くしすぎるとフロントのカーブがきつくなり縫えなくなってしまう。
それらのギリギリを狙って着丈・フロントカーブを検討しています。
がっちりアイロン、裾を入れてネクタイを締め、トラッドなBDとして。
役に裾を出してボタンも前を開けて、ショートパンツの上にゆったりと。
そんな風に、綺麗にも、崩しても着られるのがBDシャツの良い所です。
素材はスーピマコットンを使ったオックスフォード。
スーピマコットンは、米綿の長長綿。
長長綿にありがちな、ドレスウェアすぎない、ラフながらもどこか高級感があるのが特徴。
タテ糸は40番糸の2本引き揃え、
ヨコ糸は10番を1本。
タテヨコで糸の太さにかなり差があり、それがオックス独特のざらざらした表情を生んでいます。
オンスは5オンス程度でシャツとしては中厚クラス。
春先から夏前まで、さらに、秋口から冬も通年着られる厚みです。
※ワンウォッシュ済の製品をお送りします。
By.WORKERS
WORKERSおなじみ、ロングでもショートでもない、もっともベーシックな襟。
台襟のボタンが開いているときにちょうどよいロールが出るようにボタンの位置は人体(ボディ)に着せて位置決めをしています。
ラベルは真ん中にサイズネームの入ったBDらしさあふれるもの。
誰が呼んだか「コンストラクションヨーク」などと呼ばれるステッチなしのヨークつくり。
表にステッチが出ないのでドレスシャツらしい雰囲気が保たれます。
袖ぐりは3回チェーンステッチで縫った折り伏せ縫い。
表からは一本、裏を見ると一見二本、でも片方は二回ステッチが走っています。
羽襟先のボタンホール。ボタンダウンシャツの良し悪しがわかる部分。
もともと、襟の先は縫い代が混み合っているので厚みが平らになっていません。ここに、襟ステッチにかかるほどギリギリに、かつ、左右ですべて角度をそろえてホールを開ける。これは、腕云々だけではなく、ミシンに治具をつけたり工夫が必要なのです。
ボタンは樹脂ボタン。オックスという素材のタフさ、デイリーウェアとしての役割を考え、あえて貝ではなく扱いの楽な耐衝撃性のある樹脂製を選びました。
ポケットは樽型。この折るのも意外と難しいのです。
ポケットセッターという、折り・縫いを自動でする機械もあるのですが(現代アメリカのシャツメーカーなどこちらが多いです)多様な大きさ・サイズがあればかえって専用機はやりづらい。
と言う事で、型を使って綺麗に折り、1本針ミシンで付けています。
カフスは中に芯が入っています。水溶性の芯なので、お届けするときにはフラシ芯になっています。
カフスの付け部分、表から見るとステッチが二つ裏から見ると一つ。片方のステッチは芯だけを止めるためのステッチ。
現代カジュアルでは省かれてしまうことも多い芯。確かに、カジュアルにくしゃっとした風合いを作るには芯は無しでもよいかもしれません。私自身、昔は芯を使うことを極端に嫌いました。でも、自分で作って、着てみるうちにやはりシャツというのは適度に芯が入っていたほうが気分がよいのです。かといって、現代ドレスウェア的なカチカチの形状記憶するような芯とは違う、その合間の芯。入っているか、いないかわからない程度。でも入っていると、すっきり見える。そんな芯使いを目指しています。
クラシックなラウンドしたフロント始末。
もともとは、シャツの裾がとても長く、下着としての役割を果たしていた時代のディテールといわれています。
それをデザインとして取り入れるため、丈は長すぎてはいけない。でも、短すぎるとカーブがきつくなりすぎて縫えない。そのあたりを絶妙に調節した型紙です。
背面中心には、たっぷりとボックスプリーツを入れています。これが、BDシャツのたってすっきり見え、腕が動かしやすいポイント。
脇は細巾の折伏せ縫い。脇裾には、生地を二つ折りにしたマチがつくクラシックな始末。
この折伏せにマチは極端に厚みが出る部分があるので、なかなか難しいのですが、クラシックなデザインにあわせてあえて取り入れています。
●品名 Lot 20, Modified Fit, White OX
●素材 5オンス・コットン100%・オックスフォード
●附属 樹脂ボタン
●縫製 総綿糸
●価格 12000円(本体価格)12960円(税込)
●SIZE CHART
14.5サイズ
バスト 51.0cm
肩幅 43.5cm
着丈 72.0cm
袖丈 60.5cm
ネック 37.0cm
袖口幅 11.5-10.0cm
15.5サイズ
バスト 54.0cm
肩幅 44.0cm
着丈 73.0cm
袖丈 61.5cm
ネック 39.0cm
袖口幅 11.5-10.0cm
※ワンウォッシュ済の製品をお送りします。
※サンプル実寸を測り各サイズにグレードしています。縫製および洗い、また採寸方法による誤差はご容赦ください。
Workers K&T/ワーカーズは、古いアメリカのワークウェアを基本に再現しつつ現代に合わせたものづくりをしている、岡山県倉敷市のブランド。デニムの聖地、岡山県倉敷市で企画・生産されています。
オリジナルそのものを解体し、資料を辿り、時代背景にまで深く深く踏み込んだうえ、あくまで実用性に則した変更を加えていける柔軟性に私たち雑貨屋マメチコは、強く惹かれます。古着好きの「こうであって欲しい」を残しつつ、あくまで「今」着るために必要な要素を加えてリリースされる製品はクオリティと値段のバランスも良く、自信を持っておすすめできる製品です。